ルネッサンスへのオマージュ
コルシーニ大公夫人主催の職人展で見かけた時に印象的だった職人さんですが、
彼のブースに飾られていた、工房をパオロ・ペンコさんの正面からとらえたアングル
の写真もとても印象的でした。
エネルギッシュなペンコさんの個性がよく表現されていたので、切り絵を制作するに
当たって大きなプレッシャーでした。
同じアングルでは作りたくなかったし、ペンコさんの工房の場合、正面からは手元が
見えないので何を作っているのかわかりづらいというのもありました。
そこで斜め上から見たのアングルで、また、正方形のキャンバスの角度を４５度にし
てデザインを決めました。
このダイヤ型のデザインは飾る場所を選ぶので、展示が難しくなるのですが、構図と
しては面白いので職人シリーズでしばしば使用しています。
場面は蝋に貼り付けた金を、手にすっぽりはまる彫金刀を使って彫刻している所。
制作しているのはブローチです。
工房にはルネッサンス時代の絵画や彫刻など、さまざまな芸術からヒントを得た作品
が並べられています。
壁にかけられたフィレンツェの風景を描いた銅版画からもペンコさんのフィレンツェ人で
あることの誇りが感じられる。
ちなみにこの作品はパオロ・ペンコさん本人が買い上げてくれまして、現在工房に飾ら
れています。
資料集の職人紹介のコーナーもご覧ください。